
JFLF AWARD 2019 最終選考会レポート
2019年度の助成対象デザイナーが決定!
-作品を通じてデザイナーの未来を考える‐
2020.03.18
JFLF AWARD 2019 最終選考会レポート
2020.03.18
当財団では、若手服飾デザイナーの活発なデザイン活動を奨励するとともに、新たな才能を発掘し、服飾文化の振興に貢献するために、2015年よりデザイナー助成を行っています。 助成制度もはや6回目となり、次の世代を担うといわれている青木明子氏(AKIKO AOKI/2014年)や、吉田圭祐氏(KEISKE YOSHIDA/2017年)なども助成対象デザイナーとして過去に選出しています。年々応募が増え、実力が拮抗する中、令和1年の助成制度の模様をお伝えします。
今回の助成制度では、応募者の中から7名がファイナリストに選出されました。ファイナリストたちは展示会形式でプレゼンテーションを行い、その会場を選考員が内覧し、ファイナリストとコミュニケーションを取りながら選考します。
ファイナリストの方々は、メンズ、ウィメンズのウエアのほか、バッグ、靴のデザイナーの方もおり、色々なデザイナーの方が様々な想いを持ってモノつくりに取り組んでいることを実感。顔ぶれは以下になります。
■荒井貴文: TAKAFUMIARAI(メンズシューズ)
■石橋真一郎:KUON(メンズウエア)
■岡本大陸:DAIRIKU
■砂川卓也 : mister it. (メンズ&ウィメンズウエア)
■竹内美彩:PHOTOCOPIEU(ウィメンズウエア)
■遠藤絵美:EE HANDCRAFTED PRODUCTS(ウィメンズバッグ)
■箱崎裕香:üca(ウィメンズニット)
7名のファイナリストの中から3名の助成対象者を選出したのですが、今回は実力が拮抗し、誰が対象となってもおかしくないような状況(選考員談)でした。
その中で助成対象となったのは、竹内美彩(PHOTOCOPIEU)、遠藤絵美(EE HANDCRAFTED PRODUCTS)、箱崎裕香(üca)の3名。
それぞれのモノつくりをご紹介します。
竹内美彩: PHOTOCOPIEU
竹内氏は、2013年に神戸ファッションコンテストの受賞により、パリのEcole de la chambre syndicale de la couture parisienneに編入。卒業後、ISABEL MARANT、Véronique Leroy などでデザイナーとしての経験を積む中で出会った女性たちの姿勢への共感が、ブランドコンセプトにつながっています。余分な装飾を削る中、ステッチワークなどが施された切り替えが特徴。着てみると見た目よりも構築的で、女性らしさが程よく強調されたシルエットになっています。今ニーズが高いワンピース兼コートになるような羽織アイテムや、シルエットやレングスにこだわり、一見シンプル、着るとモード感を感じるトップスなど、シンプルで存在感があるアイテムが特徴です。
遠藤絵美/友岡洋平:EE HANDCRAFTED PRODUCTS
EE HANDCRAFTED PRODUCTSは、遠藤氏と共同経営者友岡氏とのバッグ・アクセサリーのプロダクトブランド。PVCのパーツを組み合わせて作るので、廃棄ゼロがコンセプトの一つとなっています。PVCのパーツは10色あり、それらを単色で使ったもの、カラーを組み合わせたものでは全く印象が違います。持ち手はマルチカラーで、ボディーは単色など、様々な組み合わせが考えられる中、お取引先によってもカラーリングや組み合わせ方が違い、差別化になっているそう。今後はコンテンポラリージュエリーとしてのバッグという方向も考えているとのことでした。
箱崎裕香:üca
Ücaは箱崎氏がデザインするウィメンズのニットブランド。トップスだけでなく、ブラウス感覚のものやパンツなど、多アイテムを展開。一つひとつ編み機で作っているそうで、手が込んでいるのが特徴。ジャカードや編地などに凝ったニットならではのプロダクトと、ドレープやフリルなどのディテールを入れた布帛と見間違うようなプロダクトという両方向のニットが提案されています。
今や日本は世界有数のお洒落な国として、世界中から注目されていますが、世界的に活躍している日本人デザイナーはそれほど多くありません。ましてや、メゾンと呼ばれるようなブランドはまだ生まれてないのが現状。その中で、デザイナーとして消費者に受け入れてもらうことは容易ではありません。
企業デザイナーならともかく、独立してデザイナー業を営むためには、良いものを作るだけではなく、お取引先を開拓して増やし、ターゲットに届くような訴求をする、など、やらなければならないことがたくさんあり、当財団ではそのための一助としてデザイナー助成を行っています。
2020年度の募集は11月1日からの予定です。再挑戦も大歓迎です。まだまだ微力ではありますが、今回対象となったデザイナーの方々、そして過去の助成対象者の方々、そして惜しくも対象にはなれなかったファイナリストの方々に、お客様に求められるデザイナーとして活躍していただくことを願ってやみません。
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